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* 明けゆく刹那の夢の中で
 

日時: 2007/12/30 16:49 メンテ
名前: 二藍 瑠璃

 長くて約百年。
 それもいつ突然終わるかも分からない不安定な時間。
 それを思えば、今生きている事こそが夢なのかもしれない。

 小さい頃、祖父の膝の上で聞いた話の一つ。
 私は小さい頃からお祖父さんっ子だった。
 両親曰く、昔の私は常に祖父の半径一メートル以内には居たらしい。
 祖父と居る時は何時だって楽しかったが、その中でも特別だったのが、祖父の話を聞く時だった。
 祖父の楽しい昔話はいつだって耐えない。
 例えばギコさんの話。
 彼は祖父の命の恩人らしかった。私が生まれる前に事故で無くなってしまったので会う事は出来なかったが。
 例えばしぃお婆さんの話。
 彼女はギコさんのお嫁さん。
 ギコさん亡き今は、娘であるエーおばさんと近所で小さなお菓子屋さんを営んでいる。
 例えばモナーお爺さんの話。
 食いしん坊なのは昔から変わらないらしかった。今もよくしぃお婆さんのお店に居座っている。
 例えば飼い猫のでぃの話。
 ちなみにそのでぃの子孫であるびぃは今、私の飼い猫だった。
 そして、何より話の中で出てきたのは、ある事をきっかけに居なくなってしまったけれど、祖父の親友だった、否、親友である彼の話。

 それから、先程の話はこう締めくくられる。
 だからこそ、その儚い夢を大切にしなくてはならない。
 そう、彼は教えてくれたのだと。
 
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* Re: 明けゆく刹那の夢の中で ( No.1 )
 
日時: 2007/12/30 16:49 メンテ
名前: 二藍 瑠璃




 そして、今まさに、祖父は夢から覚めようとしていた。



* Re: 明けゆく刹那の夢の中で ( No.2 )
 
日時: 2007/12/30 16:50 メンテ
名前: 二藍 瑠璃

 いくつ物チューブに繋がれている祖父は、私が大好きだった姿とは全く違っている。
 私の頭を撫でてくれた手を握ると、弱弱しく握り返すのが精一杯だった。
 何か言葉にしなくてはいけない事を知ってる癖に、私は何も言う事が出来ない。
 それどころか、涙さえ溢れてきそうだった。
 皆の笑顔が大好きと言っていた祖父の前で泣くなんて……。
 それもまるで祖父の所為の様に泣くなんて…………!
 どんなに自分を叱咤した。
 しかし、実際はうーっという情けない声が漏れるばかり。
 そんな私に祖父は皺くちゃの顔で小さく悲しそうに笑うのだった。
* Re: 明けゆく刹那の夢の中で ( No.3 )
 
日時: 2007/12/30 16:50 メンテ
名前: 二藍 瑠璃

 老死。
 それが祖父をこの世という夢から起こそうとしているものだった。
 どうして命に期限があるのだろう。
 私はその期限を憎んだ。
 しかし祖父はその期限があるから良いのだという。
 私の感情と祖父の言葉、私はもう何が正しいのか分からなくなっていた。
 ただ確かな事は一つ。
 目の前に祖父の死という抗えない未来がある事だった。
* Re: 明けゆく刹那の夢の中で ( No.4 )
 
日時: 2007/12/30 16:51 メンテ
名前: 二藍 瑠璃

 学校が終わると、すぐに病院に掛ける毎日。
 その中で、いつも通り祖父のベッドの隣の椅子に腰を掛けたある日の事だった。
 小さな窓から冬の空を眺めながら、掻き消えそうな声で祖父は口を開く。
「今年の冬は、まだ雪が降らないのかい……? 」
 喉から搾り出すような声に、弱ってる事を感じさせられ、目頭が熱くなるのを感じた。
「うん、まだだよ。早く降ると良いね」
 無理矢理笑顔を作って、祖父の表情を伺う。
 祖父は何処か切なそうな目をして、何処か遠くを見るような目をしていた。
「雪が降る頃、あいつが会いにきてくれそうな、気がするんだ……」
* Re: 明けゆく刹那の夢の中で ( No.5 )
 
日時: 2007/12/30 16:52 メンテ
名前: 二藍 瑠璃




 その翌日、雪が降った。
 そして、最初の雪がアスファルトに染みを作った頃、祖父は亡くなった。



* Re: 明けゆく刹那の夢の中で ( No.6 )
 
日時: 2007/12/30 16:52 メンテ
名前: 二藍 瑠璃

「…………」
 両親が泣き崩れる中、私は祖父の生前とは打って変わって、泣く事ができなかった。
「…………、なん、で……? 」
 白い布切れの下で、祖父は笑っていた。
 いつも通りの皺くちゃの顔。
 しかし、昔の写真の中の祖父の様に、楽しそうに、少し幼さを感じさせる顔で。
 昨日の祖父の言葉が蘇る。
 雪が降る頃、あいつが会いにきてくれそうな、気がするんだ……。
 あいつ。
 誰だろうか。
 思い出せ、思い出せ……。
 っ!!
 そうか、きっと、あの人だ!
 その人に私は心当たりがあった。
* Re: 明けゆく刹那の夢の中で ( No.7 )
 
日時: 2007/12/30 16:53 メンテ
名前: 二藍 瑠璃





















































































































* Re: 明けゆく刹那の夢の中で ( No.8 )
 
日時: 2007/12/30 16:54 メンテ
名前: 二藍 瑠璃






















































































































* Re: 明けゆく刹那の夢の中で ( No.9 )
 
日時: 2007/12/30 16:54 メンテ
名前: 二藍 瑠璃

 あはははは! 随分老けたなあ、モララー! これじゃ俺じゃなきゃ、お前が誰か分かんないかもな!
 ……、相変わらず酷いなあ。こんなに久しぶりなのに、他に言う事は無いのかい?
 あー、そうだった。久しぶりだな、モララー。ところで俺の事覚えてる?
 覚えてるよ。当たり前じゃないか。久しぶり。ウララー。
 ふはははははは! それにしても本当に老けたなあ!
 …………、いい加減、しつこい。
 ………………、ごめんなちゃい♪
 ……………………。
 …………………………、すみません。

 ところで今ギコは?
 ああ、あいつか? あいつは上行っても全然変わんねぇな! 来た時からずっとあのまんまだったよ。
 しぃちゃん残してきた事とかは?
 いや、もう、全っ然。あいつなら平気だー! ゴルァ! って。
 ……、ギコらしいというか、なんというか……。しぃちゃん大変だったんだよ?
 だろうな。っていうか知ってる。
 え? なんで?
 上は色々と万能だからな。モナーが相変わらず食い意地はってんのもしってるぞ。後、びぃとか、お前の子供やら孫やらも。
 ……プライバシーの侵害だ。
 そんな事言うなよー。俺とお前の仲だろー?
 はいはい。
* Re: 明けゆく刹那の夢の中で ( No.10 )
 
日時: 2007/12/30 16:55 メンテ
名前: 二藍 瑠璃

 ところで今日何で俺が来たか知ってる?
 まあ、大体検討は付く。死神業にでも就職したのかい?
 違う、違う。死神じゃない。特別。本来なら死神が来る筈なんだけどね。
 うわあ……。ウララーが来てくれて良かったかも。
 じゃあ、そろそろ行くぞ。時間無いんだよな。それにギコもでぃも待ち焦がれてる。
 え? あ、ちょっと!
 ……何だよぉー。
 最後に、皆にお礼が言いたいんだ。
 お礼? んな事言ったって、もう誰にも届かねぇよ? 此処には誰も居ないし、そもそも、もうお前、俺と会話してる時点で死んでるからな。
 良いんだよ。伝わらなくて。そりゃね、伝わんなきゃ意味が無いのかもしれない。でも、最初から諦めて伝えないのよりかは、伝えようと努力する方が良いだろうし。
 ふーん。
 良い?
 悪いって言ったって無駄だろうに……。良いよ。でもほんの少しな。
 有難う。
 おう。
 皆に会えて本当に良かった。楽しかった事、嬉しかった事は勿論、辛かった事も悲しかった事も僕の宝物だよ。有難う。皆、本当に有難う……!





終わり
* Re: 明けゆく刹那の夢の中で ( No.11 )
 
日時: 2007/12/30 17:12 メンテ
名前: 二藍 瑠璃

お久しぶりです。覚えている人なんて居るのだろうか。覚えてない人は新たに覚えるまでも無いと思いますよ。にぱ〜☆

素晴らしく本編までの道の長い話でした。
私が出てくる所は言わばプロローグです。長い。本編よりも長い。
ちなみに空白の中の・に意味はありません。そうしないと投稿出来なかっただけです。
小説と言う形で文章を書くのは半年以上振りだし、宿題やらに追われながら書いた物なので、質も量も頭を抱えたくなるようなものです。しかもしっかり推敲出来てなかったりします。すみません。

* Re: 明けゆく刹那の夢の中で ( No.12 )
 
日時: 2007/12/30 17:13 メンテ
名前: 二藍 瑠璃

さて、此処からは小説では無く、私についてです。お暇な人だけどうぞ。
実はこのレスの二分目、「覚えてない人は新たに覚えるまでも無いと思いますよ。」は謙遜でも何でも無いです。
もう、事実上そうだったから、言うまでも無いかもしれませんが、AA物書きを引退します。
実はサイト閉鎖からもう小説同様絵もあまり描いていません。(お陰で今年の年賀状は手書き。嗚呼面倒臭い)
小説板なのに、絵の方向に走ってしまうのですが、サイト閉鎖後も、趣味なので、一応オフではちょくちょく描いて居たんですよ。ひぐ○しとか薔○乙女とか○ルヒとか……。
そうです、AAをもう全然描いていないんです。
サイト閉鎖後も暫くAAは好きだったのですが、やっぱりサイトという縛りが無くなると、段々気持ちが離れていってしまいまして……。
そんな訳で引退です。
ちなみに小説はAAでは無いけれど、ちゃんと書き続けていきます。
此処には晒す事はありませんが、オフの友達の進めで携帯サイトを製作中、そこで色々もさもさ書いていくつもりです。
恐らくコテは二藍のままで行くので、もしもそれっぽいのが居たら、あたたかい目で見守ってください。
ちなみに瑠璃はとある救いようの無い阿呆な事の所為で使えなくなってしまいました。皆、人物の名前が思いつかないからって、仮でも自分の名前付けるなよ!どんどん話を練る内に、いつの間にかその名前じゃないといくつもの伏線が死ぬなんて事になりかねないぞ!

ところでこれはもう本当に、初期の私の小説を読んでくれている人じゃないと分からないでしょうけれど、この話のモララーやらウララーやらその他AAは、勿論あの物語の彼らです。分かるかな?
どうせなら彼らで始めて、彼らでしめようかと思いまして。
ちなみにモララーには自分の気持ちを代弁してもらいました。有難うー。

では、また会う機会があったらノシ
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